石本弾 コントラバス・サマーコース2015の内容について!!

皆様こんにちは

本日は毎年行っておりますコントラバス・サマーコースがどの様に進行しているのか少し書かせて戴きます。

私は過去に日本及びヨーロッパで10種類を越えるコースを受けて来ましたが、

殆どのコースがソロ曲中心の個人レッスンで、オケスタなどはオーケストラ団員も兼ねている講師ならその場で自発的にオケスタのレッスンを全員でしてみるから何時何時やろうか!?

とか、幾つかのコースでは始めからオーケストラへの就職コースとして音大生や楽団に入っている者を募集しているコースもあります。

そして高原を使ってのコースも多く、何時の日か自分も日本の高原で後進の指導をしたい!

という気持を抱きました。

私はドイツのベルリン芸術大学に留学しましたが、当初のベルリンという土地は東西ベルリンに壁(境界線)があり、いろいろな戦後の複雑な社会を身に染みましたが、学校のある 西ベルリンは東京23区の大きさ程でしたが緑の量が20倍あり、「コンクリート・ジャングル」と呼ばれもします東京から離れ、町中あちらこちらで緑の中で学生生活を満喫し、

“これだ!!”、“クラシック音楽には緑が欠かせない!!”、“名曲を作り上げた多くの作曲家はこれよりももっと多くの緑の中で育ってきたんだ!!散歩したり、仕事部屋から窓の外の緑を見ながらも作品を書いたんではないか!?”と多くの情景が目に映るが如く脳髄に何度も湧き出て着ました。

夢の様な留学生活を抱いていた私にとっては本当にいい土地に来たな!!

と実感がありました。

緑の中で散歩して素晴らしい物を作り上げた人は作曲家に留まらず、レントゲンやアインシュタインと凄まじい発見を世に送り出した多くの科学者、その他の賢者達にも緑は不可欠であった!!と現在どんどん人間の手で破壊されてきている多くの緑(自然)が減っていくことに危機感を抱いている私や友人達は何としてでも緑を減らさない運動をしております。

 

さて、前置きが長くてここまで読んで下さった方々には大変感謝すると共に、

手前の文書の途中で「こいつは面倒な指導者だから、もういい!」と読むのを止め

このページから去った人は所詮私のコースに来ても緑を愛する愛情の無い人=

音楽をも愛せない人たちだと判断しかねませんが、先を急ぎます。

 

このコースに申し込んで下さった方々には受付の文書や私からの言葉、効率良い練習の仕方、オケスタやメンタル・トレーニング、楽譜等、どういう風に勉強してコースに来て貰いたいかの説明も含み沢山の書類がpdf又は郵便で届けられます。

特に私からの皆さんへの挨拶文は今まで、そしてこれから音楽を学ぶ方も含め大事な鍵的な事柄を知らせています。

 

以下にその文書<受講生の皆さんへ>だけを貼り付けましたので宜しければ読んでみて下さい。

2015年6月吉日

石本

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<受講生の皆さんへ> 

こんにちは! 石本です。

 

この度のMeister Kurs (マイスター・クーるス/マスターコース) に申し込み頂き有り難う御座います。

皆様に送りました文書の表記に付きましては、私が考える音楽観”言葉と音楽の接点による音楽の理解”、“言葉と音楽の相対関係”がクラシック音楽を演奏する我々日本人が最も多く演奏されますドイツ音楽=ドイツ語の響きにより馴染んで戴くことを目的にイタリア語や英語も含め、あまり日常表さない文形で度々記入しましたので慣れない方は多少読みにくいと思いますが、私が何を意図し、皆さんに理解して欲しいかを意識して読んで下されば幸いです。この事は留学する!しない!を問わずある作曲家の作品を演奏する時に、その作曲家がどの 母国語を話す人なのか、作曲家の記す楽曲に非常に影響されています。そこを理解した上で演奏すると、しないのとで音を表現していく時に役立ちます。そこで我々日本人が最も演奏する機会が多いドイツ音楽=ドイツ語の発音がどれだけドイツ音楽を勉強するに至り、重要な物であるか今から感じ取って頂きたいと願います。

 

この課題にはかなりこだわりを持っていますが、作曲者の母国語=言葉は音の響きと精通していることが多く、言葉の響きを理解した上で音符を読んで演奏する。という心構えも付けて貰えましたら嬉しいです。「音符を見て演奏する」と思われる演奏をしている人も多いですが、「音符を読む」という課題を若い内から身に付ける様心がけて戴けたら嬉しいです。

オペラやレクイエム、その他の歌曲等、歌詞が付いている作品でしたら言葉=歌詞が音の動きと直結している。と容易に分かるでしょう。それは外国のポップス、その他歌詞を日本語訳で歌おうとしてもぎこちなさを感じることと同じです。また、面白い事に発音する事だけを考えた場合、日本語はドイツ音楽を演奏するのに英語より書いてある文字をはっきりと発音する。という意味では近い面があると思います(イタリア語も似ています)。この様なことは十分分かっていると思う方でも日本におりますと外国語を言葉に出せる機会が少ないので、宜しければ日頃 作品を演奏する時に少しでも作曲者の母国語を口に出して発音してみたり、意識して下さい。又は言葉を聞くだけでも違うと思います。特に管楽器の方などは欧米人向き(日本人とは骨格の異なる)に作られた楽器を演奏しておりますので、日本語を喋っている中でヨーロッパのクラシック音楽を演奏することはこの問題を非常にシビアに考えている方も居ります。*但し、吹奏楽で演奏している方は英語の発音から音を読む方が似合っているかも知れません。

その他わたしのこだわりですが日本社会の語学育成の邪魔をしております和製英語等、私が 長年外国語を話す時に支障を期している発音、RとL、FとV及びW、MとN等の違いなどが長いこと外国語暮しをしていても上手くいかない時が多々あります。人により遅く始めても才能があり、素晴らしい発音で話せる方も少しおりますが、外国語を耳に自然に身に付けられる年代は6歳ぐらいまでだと言われております中、現代の若い人たちでも苦労している方は大勢いる様です。 

以降の文書でどの様に表記を示しているか説明致します。

との違いを表す為に平仮名でR属を「 ら・り・る・れ・ろ 」、L属は「ラ・リ・ル・レ・ロ 」。系は「ふぁ・ふぃ・ふ・ふぇ・ふぉ」、「ヴァ・ヴィ・ヴ・ヴェ・ヴォ」、は 「エム)とエンヌ 」とドイツ語やイタリア語の場合はしっかりと発音しますが、英語やフランス語のようにMがNの発音を兼ね備える場合とも違います。例: 「コントらバステmポ」他

 

現地で皆さんとゆっくり話が出来る時間は限られていると思いますので、送付希望の書類には各々の説明やアドバイスを少し加えました。長野でお会いできることを楽しみにしております。

 

2015年 吉日

石本 弾